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東京高等裁判所 平成6年(ネ)4469号 判決

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第一  申立

一  控訴人

1  原判決中控訴人の敗訴部分を取り消す。

2  被控訴人の請求を棄却する。

3  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

本件控訴を棄却する。

第二  当事者の主張

次のとおり付加、訂正するほかは、原判決事実の「第二 当事者の主張」欄記載のとおりであるから、これを引用する(但し、第一、第二事件に関する部分を除く。)。

1  原判決六丁表二行目の次に行を改めて次のとおり加える。

「三 控訴人の主張

仮に、被控訴人が本件土地の賃借権を有していたとしても、被控訴人は、訴外賢雄の死亡した平成三年七月三日、笹川賢一と共に本件土地の持分二分の一宛を遺贈によって取得したから、被控訴人の右賃借権は少なくとも持分二分の一について混同によって消滅した。

四 控訴人の主張に対する認否

控訴人の主張事実中、被控訴人が、訴外賢雄の死亡した平成三年七月三日、本件土地の持分二分の一宛を笹川賢一と共に遺贈によって取得したことは認めるが、その余は争う。」

2  同九丁表六行目の「二二八」を「弐弐八」に改める。

第三  証拠(省略)

第四  当裁判所の判断

次のとおり付加、訂正するほかは、原判決理由欄記載のとおりであるから、これを引用する(但し、第一、第二事実に関する部分を除く。)。

1  原判決八丁表二行目の「同月」を「平成二年一一月に」改め、同丁表末行の「並びに」の次に「当審証人山岸由美子の証言及び」を加える。

2  同丁裏三行目の次に行を改めて次のとおり加える。

四 控訴人は、仮に被控訴人が本件土地の賃借権を有していたとしても、被控訴人は、訴外賢雄の死亡した平成三年七月三日、本件土地の持分二分の一を遺贈によって取得したから、右賃借権は持分二分の一について混同によって消滅した旨主張するが、右賃借権は不可分性を有し被控訴人においてその持分権を取得したのみでは右賃借権の全部又は一部につき混同によって消滅することはないから、控訴人の右主張はそれ自体失当であって採用することができない。

第四  結論

以上のとおり原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき民事訴訟法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

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